サメと猫

太宰治「斜陽」

読書歴が浅い自分には、読みたい本が次々に出てくる。なのに、人間失格を読んでからずっと、太宰治から抜け出せなくなっている。後半ネタバレなので、興味ある人は途中で読むのをやめてもらえたら。空白空けとくので。 「斜陽」は、没落貴族となってしまった…

井伏鱒二「夜ふけと梅の花」

井伏鱒二の『山椒魚』という短編集の中に、『夜ふけと梅の花』という作品がある。ある日怪我をした酔っぱらいに絡まれ成り行きでお金を受け取ってしまった主人公が、その罪悪感から相手への認識をどんどんと歪ませていく話なのだが、人間がいかに主観で自分…