サメと猫

三人称って厄介

打ち明け話を聞いた後にやってくるのは、それをうっかり外に漏らしてしまわないだろうかという不安と、そのプレッシャーによる憂鬱だ。

「俺はあの人の前でこの話題には触れない。」そんなささやかな自己暗示を行なって多少の安心を得る。

 

これって自分だけじゃないと思うんだけど、酒を飲んでいる時にトイレに行ったりして一人になると急に冷静になる。

それだけならいいんだけど、ついさっきまでの自分を思い出して

うわ、酔ってるな〜

と客観視したりする。

そしてそんな自分を

突然冷静になって客観視してる自分キモいな

と客観視する。

そしてそんな自分を...

というように、無限に自分を俯瞰するバグに突入することがある。(実際には地続きに思い出して思考しているだけだろう)

while(1) {

 「「自分きもいな笑」」

}

 

いや、別に酔ってなくとも普段から、何か自分の行動に不安があるとそうやって主観の自分を遠ざけ、リアリティを薄めている。

単なる現実逃避だ。

「やべ、変なこと言ってないかな」みたいな一抹の不安から逃れるように、自分は冷静であると錯覚できる距離まで主観を殻に包んでいく。

人格が入れ子になったマトリョーシカのような。

「人格マトリョーシカ」って新しいボカロ曲みたいだな。痛いからウケそうだ。